馬つよく強くはしって春の坂
自意識の穴から噴き出してくる海
よく晴れて涙から影が出たがる
涙腺の 数パーセントは きのうの秋刀魚
恋してないと 言うには 足りない栗の毬
wが草なのxが花野なの
海水浴 季語須可捨焉乎とか 言えない 僕ら
生きるとか死ぬとか氷店に旗とか
月彦全句集を抱き汗の腋
奇術師が旱をぴてぴてと歩く
金魚よろめく 大学教授の 脱走
差出人空欄白樺の樹液
水を そそぐ。 飛び跳ねているのが、 僕。
朝日やわらかエスカレーターも夏
春泥を掬えば俺に舟がある
一般に春の水より消える仮死
人新世さくらのしたの殉死から
鳥曇り 閉じ込めてくれそうに本
指しおり 駱駝が春を濡らしたら
ボールペンこんなに卒業と書ける
囀りのいつかは夜が見えないよ
バランス の くらくら する ような ひかり
坂 降りる へつらうこともない春は
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